ごあいさつ

大谷中学高等学校 学校長 飯山 等   

〈新しい私たち〉のなかで、〈私〉が育てられる。

半世紀前、私は岐阜市内の高校に入学しました。1学年は500名。山あいの小さな集落に生まれ育った私にとって、それは鮮烈なスタートでした。上級生を含めて1500名、先生は100人に及びます。私はその誰をも知らないし、その誰もが私を知りません。その途絶感と孤独感は私を強く緊張させました。
 具体的な日常がどのようなものであったか、今は、余りに多い教室に迷って上級生のHR教室に入ってしまったことなどが微笑ましく思い出されるぐらいです。しかしあるときから、この始まりが、私の今に真っ直ぐに繋がっている、現在の起点がこのときにあるとの思いをしきりに抱くようになりました。まったく新しく出会った仲間によって、私のなかに「新しい私たち」が生まれ育ち、そしてその私たちが、私の中から、今までの私が知らない「新しい私を生み育ててくれた」
のだと。

 今年の成人の日にも、5分の3を超える多くの卒業生が本校に集い、斉しく「大谷の子」であることを確かめ合い、新たな出発を印してくれました。この集いは「私たちは大谷から始まった!」という卒業生の声から自発的に生まれて、今年で8年になります。
それぞれ3年間・6年間のときを、ここ大谷で共にした。そのことを人生のたいせつな時として確かめ、共有し、それぞれの胸に刻して、さらなる未来へと歩もう。このことが学校側の企図的な呼びかけによって始まったのではないことに、大谷を人生の場としてきた者の一人として、胸が熱くなるのを感じます。
大谷が人生のひとときの通過場所として、すぐさま後方に過ぎ去ってしまうのではなく、その人生を貫いてつねに現在であり続ける〈時〉であり、〈場〉であることを証しする集いであると、慶びとともに、あらためて重い責任を感じることです。

大谷はそのような時が現成する学び舎としてこれからも在り続けたいと思っています。

OTANing

 大谷中学高等学校 機関紙巻頭言 飯山等 学校長

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途上のわれら

Otaning_vol238 卒業特別号

四生の終帰、万国の極宗

Otaning_vol237

「論う」の回復を

Otaning_vol.236

いのちの数字

Otaning_vol.235_在校生号

Complete and Commence

Otaning_vol235_卒業生号

一欠辺(ひとかけら)の経験

Otaning_vol.234

鳩は真空の中でならもっと上手に飛べるだろうと思う。

Otaning_vol.233

澄み渡れ大谷

Otaning_vol.232

つながる力

Otaning_vol.231

初心に樹つ

Otaning_vol.230<在校生バージョン>

一切の有情は、みなもって世々生々の父母兄弟なり

Otaning_vol.230<特別号>

わがいのちすなわち無量寿なり

Otaning_vol.229

万物一体

Otaning_vol.228

非日常を糧に

Otaning_vol.227

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Otaning_vol.226

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Otaning_vol.225

多様性という豊かさ

Otaning_vol.225(卒業特別号)

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Otaning_vol.224

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Otaning_vol.223

わたしたちをエデュケート

Otaning_vol.222

この世界は味わい深く、大地の塵までが美しい

Otaning_vol.221

これぞ 友どち ああ ゆかし

Otaning_vol.220

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Otaning_vol.219

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Otaning_vol.218

その《むこう》に

Otaning_vol.217

われらなる慶び

Otaning_vol.216

世界を温かくする力

Otaning_vol.215

流れを掬みて

Otaning_vol.214

耳をすます

Otaning_vol.213

大谷という<人生の時>を生きる

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You can do it too...

Otaning_vol.211

グローバルクラス開設について

OTANing_vol.210

コドモであり続けること

OTANing_vol.209

今、ここから未来へ

OTANing_vol.208

「大谷われら」を深める旅

OTANing_vol.207

さぁ、心をつなごう

Otaning_vol.206

大きな鏡に映すような気持ちで

Otaning_vol.205

この声は何処から。そして何処へ?

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いのちの記憶

Otaning_vol.203

「ひと」となる。

Otaning_vol.202

節を刻む、あなたとなれ。

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「いま」の歴史を憶う。

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「響存の心根」